2013年3月21日木曜日

長沼毅 『形態の生命誌』

長沼毅という生物学者について、誰かが「生物学界のインディージョーンズ」と呼んでいた。
それで興味を持ち、とりあえず取っ付きやすそうな著作を1冊選んで読んでみたのが、本書『形態の生命誌』である。

生物学の一ジャンルとして形態学というのがあるそうで、生物の構造と形態についての研究を行う学問だそうな。

で、読んでみたら、形態学は著者の専門外だそうで。



ギャフン。



でもまあ、せっかく買ったので、勉強し直しのつもりで読んでみよう。話題はそれなりに多岐に渡っているようだし。

ちなみに僕は、大学入試の時(もうウン十年前の話だ)、センター試験では生物を選択した。
生物は他の理科の科目と違い、読解力だけで6割は正解できる不思議な科目だったからだ。
そんなわけで、高校の時には生物の勉強を基本的にサボっていたし、それ以降もちゃんと勉強したことは無い。
だから、本書に書かれているような知識も、「どっかで聞いたような・・・」というレベルから、そもそも全く初見のものまで色々だ。
ただ、著者の語り口が軽妙で、私立文系出身の僕でも飽きることなく読み通せた。


最も衝撃を受けたのは、オウム貝の巻き方の法則が黄金比率によるものではないということ。
なんだよ、耳学問で聞きかじった話はウソだったのか!
やっぱり、受け売りの知識では大やけどをするということだ。

また、簡単なルールで複雑な形を生成するLシステムと、それを数列化したフィボナッチ数列については、ネット業界に長く勤める者としてはgoogleの検索アルゴリズムのことに思いを馳せずにはいられなかった。


なお、本書においては「インディージョーンズ」としての側面はほとんど垣間見ることができなかった。
最後の方にちょこっとだけ「南極に行った」と書いてあっただけ。
また改めて別な著作を探ってみたい。




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